今回は、私の愛車である現行ZC33Sから一つ前の世代にあたる、
スイフトスポーツ、型式「ZC32S」について、紹介・解説していきたいと思います。
調べていくうちに、一つ前の「ZC32S」が、スイスポの歴史において「最後の1.6L 自然吸気(NA)エンジン搭載モデル」として、今なお根強い人気を誇る名車だということが分かってきました。
今回は私自身の勉強も兼ねて、ZC32Sのカタログスペックのおさらいから、オーナーたちのリアルな声、そして現役33乗りから見た「32のここが羨ましい!」というポイントなどを解説していきます。

スイフトスポーツ「ZC32S」の立ち位置
まずは、今回の主役である「ZC32S」がスイスポの歴史の中でどういう立ち位置なのか振り返ってみましょう。
2011年に満を持して登場したのが「ZC32S」です。
このZC32Sの最大の特徴は、歴代培ってきた「コンパクトな5ナンバーサイズ」と「回して楽しいテンロク(1.6L)NAエンジン」というパッケージングを、極限まで熟成させた車です。
そして皆さんご存知の通り、2017年に私が乗っている現行モデル「ZC33S」へとバトンタッチし、33からは1.4Lの直噴ターボエンジンとなり、ボディも3ナンバーサイズへと拡大されました。
私が乗っている33の直前まで、スイスポは「5ナンバー×テンロクNA」という、古き良きピュアスポーツの系譜を受け継いでいたわけです。
ZC32Sは、その歴史の集大成とも言える重要なターニングポイントなんですね。
ZC32S カタログスペック徹底解説
ボディサイズと重量
【ボディサイズと重量】
全長×全幅×全高: 3,890mm × 1,695mm × 1,510mm
ホイールベース: 2,430mm
車両重量: 1,040kg(6MT車) / 1,060kg(CVT車)
まず驚いたのは、このサイズ感と軽さです!
全幅1,695mmと、日本の狭い峠道や路地でも全く気を使わずに振り回せる完全な5ナンバーサイズ。そして、当時の厳しい衝突安全基準を満たしながら、高張力鋼板を多用することで車重をわずか1,040kgに抑え込んでいます。
33も970kgとさらに異常な軽さですが、32の時点で既にこの軽量ボディーが完成されていたんですね。
エンジン・パワートレイン
【エンジン・パワートレイン】
エンジン型式: M16A型 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量: 1,586cc
最高出力: 136ps(100kW) / 6,900rpm
最大トルク: 16.3kgf・m(160N・m) / 4,400rpm
使用燃料: 無鉛プレミアムガソリン(ハイオク仕様)
トランスミッション: 6速MT / CVT
心臓部には、スズキの名機M16A型エンジンを搭載。
可変吸気システム(VIM)の採用や、エンジン内部のフリクション(摩擦)低減を徹底的に行うことで、6,900回転で136馬力を絞り出す超高回転型のNAエンジンに仕上がっています。
レッドゾーンまで気持ちよく吹け上がるセッティングは、NAならではの魅力ですね。
そして、このエンジンのおいしいところを使い切るために用意されたのが、専用開発の6速マニュアルトランスミッション。2速から5速までをクロスレシオ化し、シフト操作のたびにエンジンのパワーバンドを維持できる、まさに「走るためのギアボックス」です。
足回りと専用装備
【足回りと専用装備】
足回りは、フロントがマクファーソンストラット、リアがトーションビームという王道スタイルですが、純正でモンロー(テネコ社)製のショックアブソーバーが装備されています。
外装にはデュアルエキゾーストマフラーや専用の大型フロントバンパー、内装にはホールド性の高い「Sport」ロゴ入りの専用シート、本革巻ステアリング、ステンレス製のペダルプレートなど、メーカーチューンのお手本のような充実ぶり。
これが当時の新車で160万円台から買えたというのは、ちょっと信じられないコスパです。
やはりスイスポはコスパの鬼。
リアルな評価!みんカラ・ブログのオーナーレビュー
さて、スペックが凄いのは分かりましたが、実際のところ乗ってみてどうなのか?今回は日本最大級のクルマSNS「みんカラ」や、個人ブログなどをリサーチし、先輩オーナーさんたちの「生の声」を集めてきました。
オーナーが絶賛する「ここが良い!」
「とにかくエンジンを回し切る快感!」
圧倒的に多かったのがこれです。「現代のターボ車のようなシートに押し付けられる加速はないけれど、アクセル開度と加速が完全にシンクロする」「レッドゾーンの7200回転まで、息継ぎなしで一直線に吹け上がる快感は病みつきになる」といった声が多数。「テンロクNAエンジンを限界まで使い切る楽しさ」は、他の車では味わえない特権のようです。
「素直でヒラヒラ舞うようなハンドリング」
「コーナーに飛び込んだ時のノーズの入りが異常に良く、狙ったラインを外さない」「車体が軽いから、下りの峠道では自分よりハイパワーな車にも付いていける」という意見も目立ちました。純正のモンロー製ショックの出来が絶賛されています。
「純正シートと操作系の剛性感」
「純正シートのホールド性が良くて、長距離でも腰が痛くならない」「シフトの入りが『コクッ、コクッ』と節度があって気持ちいい」という声も多かったです。
オーナーが語る「ここが不満・弱点!」
「電スロのもっさり感・レスポンスの遅れ」
これがZC32Sの残念な点として多くのブログで指摘されていました。「アクセルを踏み込んでも、電子制御が介入して一瞬ワンテンポ遅れてエンジンが吹け上がる」という不満です。
「後部座席とラゲッジスペースの狭さ」
ボディサイズがコンパクトでデザインを優先したルーフ形状のため、「大人が後席に長時間乗るのは頭の上がしんどい」「トランクの開口部が高く、荷室も狭い」という声がありました。実用性を重視するなら、ボディが拡大され大人4人が快適に移動できる車に進化した
現行のZC33Sに軍配が上がりますね。
「高速道路での静粛性とハイギヤードへの要望」
「6速で100km/h巡航している時のエンジン回転数が約2900回転と高めなので、エンジン音が車内に響いて疲れる」「もう一つ上の幻の7速が欲しくなる」という意見もありました。クロスミッションの宿命ですね。
現行ZC33S乗りから見た「ZC32Sのここが羨ましい!」
ZC33Sに乗っている私から見て「32のこういうところは羨ましいな…」と思うポイントをお話しします。
まず一つ目は、「エンジンを全開にする悦び」です。私の乗っている33は、1.4Lターボのおかげで低回転からものすごいトルクが出ます。街乗りも圧倒的に楽ですし、加速は本当に速いです。でも、公道では「パワーを持て余している感」が常に付き纏うんですよね。アクセルをベタ踏みできる時間はほんの一瞬です。
その点、ZC32Sはエンジンを上までキッチリ回して、シフトチェンジを駆使して車のポテンシャルの100%を自分で引き出して走る感覚があります。これはターボの33乗りからすると、純粋に羨ましいスポーツカーとしての楽しさです。
二つ目は「5ナンバーサイズのシャープさ」。ZC33Sは3ナンバー化されて安定感は上がりましたが、ZC32Sのあのコンパクトなサイズ感は5ナンバー専用ボディならではの大きな強みだと感じます。
走行性能的にはワイド化したほうがメリットがあるのはわかりますが、やはり日本の狭い道を走るなら車幅は小さければ小さいほどいいです。
まとめ
愛車のルーツを辿ってみて改めて思いましたが、1.6Lの自然吸気エンジンを搭載し、1トンの軽量コンパクトなボディをマニュアルで操れる純ガソリン車が、今後新車で登場することは恐らくないのではないかと思います。
ZC32Sは間違いなく「日本の自動車史に名を刻むべき名車」ですね。
現在、中古車市場では100万円前後で状態の良い個体が狙えるようになってきました。初めてのスポーツカーとしても、セカンドカーやベース車両としても、これほどピュアなドライビング体験ができる車は貴重です。
