ZC32SからZC33Sへ。進化したポイントとは

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2017年9月、スイフトスポーツは3代目へフルモデルチェンジしました。
ZC32SからZC33Sへ。型式が一文字変わっただけですが、その中身はエンジン、ボディ、プラットフォーム、安全装備と大きく進化しています。
スイフトスポーツの歴史の中でも、ここまで方向性が変わったモデルチェンジは初めてだと思います。
今回はZC32SからZC33Sへ進化したポイントに焦点をあて、
スペックだけでなく実際の使い勝手やオーナー目線も交えながら整理してみます。

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エンジン

スイフトスポーツといえば長年「1.6L自然吸気」が伝統でした。
ZC31S、ZC32SともにM16A型1.6L NAエンジンを搭載していましたが、ZC33Sでは1.4L直噴ターボのK14Cブースタージェットへ変更されました。

ZC32S ZC33S
エンジン 1.6L NA 1.4Lターボ
最高出力 136PS 140PS
最大トルク 160Nm 230Nm

最高出力は4PSの向上ですが、最大トルクは43%アップ。
しかも230Nmを2,500rpm付近から発生するため
街乗りでの扱いやすさが劇的に変化しました。

ZC32Sはカチ回して楽しむエンジン、ZC33Sは低速トルクもりもり快適エンジンって感じです。
高回転型NA特有の気持ち良さを惜しむ声は今でもありますね。スポーツカー的な官能的なフィールは高回転NAならではの魅力かと思います。
ここに関してはパワーやトルクというスペックは進化ですが、フィーリング的な面で見ると人によって好みは分かれる部分だと思いますね。

車体・プラットフォーム

新世代プラットフォーム「HEARTECT(ハーテクト)」の採用により、
軽量化と高剛性化を両立しています。
先代ZC32SのMT車は1,050kgでしたが、ZC33SのMT車は970kg。
実に約70kgの軽量化を実現しました。
ターボ化でパワーアップした上に軽量化されているのがすごいですよね。

しかも軽くなっただけではありません。
ボディ剛性も向上しており、高速道路での安定感や乗り心地の質感も改善されています。
この結果、パワーウエイトレシオも向上しました。

ZC32S:7.72kg/PS
ZC33S:6.93kg/PS

約10%改善しています。
1tを切る車重で140PS・230Nmを発生するという組み合わせは、現在の国産スポーツカーの中でもかなり魅力的なパッケージです。

他にボディの細かい部分でいうと
ZC32Sでは一般的な位置に配置されていた後席ドアノブですが、ZC33SではCピラー付近へ移設されました。

5ドア車でありながら3ドアハッチバックのようなスポーティーなシルエットになっています。
ちょっと開けにくいし使い勝手の面でいうと進化とは言えないような気がしますが、デザイン的には洗練された印象で大きな変化かと思います。

ボディサイズ

ZC33Sでは、スイフトスポーツとして初めて3ナンバー化が行われました。

ZC32S ZC33S
全長 3,890mm 3,890mm
全幅 1,695mm 1,735mm
全高 1,510mm 1,500mm
ホイールベース 2,430mm 2,450mm

全長は変わらない一方で、全幅は40mm拡大。
ホイールベースも20mm延長されました。
これにより高速安定性やコーナリング性能は向上しています。
それでいて最小回転半径は5.1mに抑えられており、街中での扱いやすさはしっかり維持されています。
先代の5.2mから小さくなっておりボディサイズは拡大されているのに
小回り性能は向上しているのは素晴らしいですよね。

個人的にはこの数値は結構気にしていて
走りに特化した車、なおかつFFとなると
どうしても小回りが犠牲になるのですがわずか5.1mに抑えられているのは本当にありがたいです。

トランスミッション

ZC32SのAT車は副変速機構付きCVTを採用していました。
一方ZC33Sでは6速ATへ変更されています。
燃費面ではCVTが有利ですが、スポーツ性能やダイレクト感を求めるとなるとATの方がいいですよね。

パドルシフトも装備されており、AT限定ユーザーでも積極的に走りを楽しめます。
またAT制御もスポーツ走行を意識しており、コーナー進入時には不用意なシフトアップを抑制し、適切なギアを維持する制御が採用されています。

ZC33Sの6ATは結構高評価で、私もATを選択しましたがパドルシフトの操作も相まってかなり楽しいです。
なおMT車は両世代とも6速MTを採用しています。

安全装備

ZC32Sには存在しなかった先進安全装備が、ZC33Sでは大幅に追加されました。
主な装備は以下の通りです。

  • デュアルセンサーブレーキサポート
  • 全方位モニター
  • ブラインドスポットモニター

など他にもいろいろ追加されています。

スポーツモデルでありながら充実していて、かなり安心感があります。

インテリア・灯火類

コックピット周りも大きく進化しています。
ZC33Sでは4.2インチのマルチインフォメーションディスプレイを採用。

ブースト計や油温計などを純正状態で確認できるようになりました。

33Sも含め、安っぽいと評されることが多いスイスポの内装ですが
私的には32Sに比べ、33Sはかなり安っぽさは改善されているなと感じます。
高級感があるとまでは言えませんが、チープな印象はなく
スポーティーな要素を綺麗にまとめてあるなと思っています。

ZC32Sでは標準がハロゲンヘッドライトで、HIDはメーカーオプションでした。
それに対してZC33SではLEDヘッドライトを標準装備。
テールランプもLED化されています。

コスト的なこともあって電子化されなかったのかと思いますが
サイドブレーキが手引き式のまま残ってるのも嬉しいポイント。

走る車はやっぱり手引き式のが操作の選択肢と増えますし、内装的にもそっちの方が似合いますよね。

荷室容量

荷室容量はZC32Sの約210Lから、ZC33Sでは265Lへ拡大されました。
後席を倒した状態では最大579Lまで拡大でき、日常使いから旅行まで対応できる実用性を備えています。

荷室自体も先代より深くなっており、積載性が向上しています。

燃費と税金

排気量が1.6Lから1.4Lになったことで税負担も軽くなりました。
現行税制で比較すると年間約5,500円の差があります。
燃費も向上しています。

ZC32S ZC33S
MT 14.8km/L 16.4km/L
AT/CVT 15.6km/L 16.2km/L

ターボ化してパワーアップしたにもかかわらず、ダウンサイジングで税金は安く、
軽量化や効率向上によって燃費性能も改善されています。

新車価格

ZC32Sの発売当初価格は約168万円でした。
対してZC33Sは183万6,000円からのスタート。
約15万円の値上がりとなりました。

しかし、ターボエンジン・新プラットフォーム・先進安全装備・LEDヘッドライト
6AT採用などを考えると、内容の進化に対する価格上昇はかなり抑えられていると感じます。

その後の年次改良で価格は徐々に上昇したものの、1t未満の車重とターボエンジンを備えたホットハッチとしては高いコストパフォーマンスを維持していました。

まとめ

ZC32SとZC33Sを比較すると、ZC33Sは単なる後継車ではありません。
キャラクターとしては正反対ともいえるので、正当進化とは言えませんが
スイスポの核となる若者でも買える安くて楽しい車という部分は変わっていないです。

ターボ化による圧倒的なトルク向上、70kgの軽量化、新世代プラットフォーム、安全装備の充実、AT車の大幅進化、そして実用性向上。
あらゆる面で現代的なホットハッチへと進化しています。

「スイフトスポーツ史上最大の進化」

そう呼ばれても決して大げさではないモデルチェンジだったと思います。