ZC33Sに乗ってると、たまに「アルトワークスってどうなんですか?」って聞かれることがあるんですよね。同じスズキだし、どっちも軽快系のスポーツだから、気になる人は多いかと思います。
自分もちょっと気になってます。私もスイスポ購入する際アルトワークスも選択肢にあり、迷いました。

なので今回は、ZC33Sと現時点で最新世代のアルトワークス(HA36S)の比較をスイスポオーナー目線でまとめてみました。
同じ「スズキの走り屋」兄弟というより遠い親戚
まず大前提なんですけど、ここで言うアルトワークスは2021年末に生産終了したHA36S型のことです。現行アルト(HA37S)にはワークスのラインナップがないので、これが現時点で最後のワークス、ということになります。
ZC33Sも2017年から最近まで続いていたロングライフモデルなので、両方とも今となっては「貴重な走り系のスズキ」っていう立ち位置な気がします。
スペックをざっくり並べると、こんな感じ。
・ZC33S:1.4Lターボ、140PS/230Nm、車重970kgくらい
・アルトワークス:660ccターボ、64PS/100Nm、車重はグレードによって670〜740kg前後
数字だけ見ると、もう完全に別カテゴリーですよね。パワーは倍以上、車重も200〜300kg違う。
でも、「走らせて気持ちいい方向に振ってある」っていう思想は近いと思います。完全に別物なんだけど、根っこは同じ、みたいな感じ。
軽ならではのメリット
軽スポーツの強みって、走り抜きにしても維持費の安さなんですよね。
・自動車税が安い(毎年地味に効きます)
・車検も普通車より安い
・自動車保険も若干安め
・タイヤも165/55R15とかなので、交換が安い
ZC33Sだと195/45R17を履いてるので、タイヤ交換のたびに「うっ」となります。205に変更して安いタイヤにしていますが、195で純正コンチネンタルにこだわればかなり高額になります。
あと、街中の取り回しも軽は強い。狭い駐車場とか細い路地での小ささはやっぱり武器だと思います。
自分のZC33Sもコンパクトな方なんですけど、それでも軽と並ぶと「あ、やっぱり普通車だな」って気付かされるんですよね。車幅でいうとZC33Sが1735mm、アルトワークスが1475mmなので約26cm違うんです。これは並べると、けっこうな差です。
ZC33Sは先代より全幅が拡張されていますからね。コンパクトではありますが5ナンバー枠から外れて狭い道ではキツい場面もあります。
軽ならではのデメリット
逆に、軽の弱点もあります。
・高速での余裕がない(合流や追い越しで踏み込むことになる)
・直進安定性は普通車に分がある
・室内空間はやっぱり狭め
・長距離だと疲れやすい印象
ZC33Sで高速100km/h巡航してると、6MTだと2700rpm前後で、トルクに余裕がある感じなんですけど、アルトワークスだとそうもいかないみたいです。回して走る前提のクルマなので、巡航が得意とは言いにくいかもしれません。
個人的な感想ですけど、長距離込みで一台に絞るならZC33S寄りかなと思います。軽は街乗り+ワインディングが本領、っていう感じがします。
走行性能
ここが一番面白いポイントだと思うんですけど、二台は「速さの方向性」がそもそも違います。
ZC33Sはトルクで押すタイプ。230Nmが2500rpm付近から出るので、街中でもワインディングでも、踏めば前に出る感じです。
回さなくても速い、っていう走り方ができるんですよね。
一方アルトワークスは、回して使うタイプ。トルクは100Nmしかないので、低回転だとちょっと物足りない。でも670kg台の軽量ボディを、そのトルクで振り回す感じが楽しい、っていうオーナーさんが多いみたいです。
軽量級ボクサーと中量級ボクサーの違い、みたいな関係でしょうか。
絶対的な速さで言えばZC33Sが上だと思います。0-100km/hも最高速も違う。でも、64PSをきっちり使い切る楽しさは、軽の特権だと思うんですよね。
私の車では、街乗りで140PSを使い切る場面ってまずないんです。日常域でエンジンの限界を引き出して遊べるのは、軽スポーツの強みだと思います。
あと、フットワークの軽さや切り返しの素直さは、車重差がそのまま効いてくる部分かもしれません。
AGSってAT?
ここがアルトワークスを語るうえで外せないポイント。
アルトワークスにはMT以外に、5AGSっていうトランスミッションが用意されてます。これ、知らない人が聞くと「AT」って思いがちなんですけど、中身は全然違うんですよね。
5AGSは、簡単に言うと「自動でクラッチ操作してくれるMT」です。Auto Gear Shiftの略で、シングルクラッチの自動MTっていう感じ。トルコンATでもDCTでもありません。
実際の挙動としては、
・変速の瞬間に「コクッ」とトルク抜けがある(MTのシフトチェンジに近い)
・渋滞だとちょっとぎこちない動きをする
・マニュアルモードあり、パドルシフトもあり
・スポーツ走行時にはむしろ気持ちいい、って声もある
・燃費はMTベースなので普通のATより良い傾向
・AGSもワークス専用のチューニングが入っていて、かなり走り寄り
要するに、普通のATを期待して乗ると「なんかギクシャクする」って感じる仕様なんですよね。慣れの問題ではあるようです。
免許もAT限定でも問題なく乗れます。
なので、アルトワークスを買うなら5MT派、っていう人が多い印象です。AGSはAGSで面白いけど、走り目的なら素直に5MTかな、というのが正直なところ。
その点ZC33Sは6MTか普通の6ATなので、わかりやすい。誰が乗っても普通に運転できるのは、地味に大きいメリットだと思います。
まとめ
ここまで書いておいてアレですけど、結論「どっちが上」って話ではないと思います。
・維持費を抑えて、軽量級の楽しさを味わいたい→アルトワークス
・高速もワインディングも一台でこなしたい→ZC33S
・普段使いの実用性込みで考える→ZC33S寄り
・とにかく軽いのを振り回したい→アルトワークス
自分はZC33Sに満足してるんですけど、いつかアルトワークスも乗ってみたいなって思ってます。軽自動車の軽量ボディにターボって楽しいに決まってるので。
生産終了に伴って中古相場もじわじわ上がってるので、欲しい人は早めに動いた方がいいかもしれません。
スズキのコンパクトスポーツって、選択肢としてはどんどん減ってる方向なので、どっちにしても、現役のうちに触れておくと良さがわかるんじゃないかな、と思います。
