ZC33SスイフトスポーツのATってどうなのか?

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ATの仕様や乗ってみてどのように感じたか紹介していきます。

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家族や友人も乗れるというメリット

AT車の大きなメリットとして、家族や友人にも気軽に運転を代わってもらえる点があります。

長距離ドライブや旅行などで疲れたとき、あるいは体調不良や怪我など、何かトラブルが起きた際にも、同乗者にハンドルを任せられるというのは精神的にも大きな安心材料になります。
車好きや仕事で日常的にMT車を扱っている人を除けば、現代ではマニュアル車に乗れる人はかなり少数派です。
そもそもMT免許を持っていない人も多く、AT限定免許が当たり前になっています。
今後この傾向が変わることは考えにくく、むしろさらにMT車に乗れる人は減っていくでしょう。
そうなったとき、MT車だと「運転を交代する」という選択肢自体が現実的でなくなります。
一人で乗る分には問題なくても、複数人で使う車として考えた場合、この差は思っている以上に大きいと感じます。

基本的に速いのはオートマ

走行性能、特に速さという点では、現代の車は基本的にオートマの方が有利です。

プロドライバーや相当なドライビングテクニックを持つ人であれば、MTでも同程度のタイムを出せることはありますが、一般人が普通に走る分には、確実にATの方が速く走れます。
シフトチェンジのスピードや正確性、加速時のロスの少なさなど、すべてが最適化されているため、ドライバーが余計な操作をしなくても車側が最大限の性能を引き出してくれます。
スポーツカーとして純粋に「速さ」を追求するのであれば、むしろATの方が合理的だという見方もできます。

パドルシフトの仕組みと実用性

AT車にはパドルシフトが備わっているモデルも多く、これを使うことで自分でギアを選択する楽しさも味わえます。
パドルシフトの使い方は二通りあり

一つはDレンジ走行中に一時的にパドル操作を行う方法


もう一つはMレンジに入れてマニュアルモードとして操作する方法です。

Dレンジの場合、パドル操作後しばらく走行を続けると、自動的に通常のDレンジ制御に戻ります。
一方、Mレンジでは基本的にドライバーの操作が優先され、より積極的にギアをコントロールできます。
ただし、どちらの場合でもオーバーレブやエンストにつながるような操作をしようとすると制御が入り、「ピピッ」という音で操作できないことを知らせてくれます。
また、レッドゾーン付近まで引っ張ってもシフトアップしなかった場合は、警告音こそ鳴りませんが、自動でシフトアップされる仕組みになっています。
無理な操作を防ぎつつ、安心してスポーツ走行を楽しめる点はATならではです。

新車は高いが中古は安い

スポーツカーのAT車は、新車価格ではMTより高いことが多い一方で、中古市場ではMTより安くなりやすい傾向があります。

購入時は安く済む反面、売却時のリセールはMTより低くなるケースが多いです。
また、AT車はそもそもの流通台数が少なく、ATに条件を絞って探すと、MTよりも見つかりにくい場合があります。
実際に私自身、黒のATに限定して探していましたが、MTは比較的すぐに見つかったのに対し、ATは「これだ」と思える個体に出会うまでかなり時間がかかりました。
中古車の状態についてはあくまで傾向の話ですが、ATの方が荒く扱われていない個体が多い印象があります。
MT車はスポーツ走行に使われてきた車両も多く、クラッチや駆動系を含め、ハードな使われ方をしていることが少なくありません。
一方でATを選ぶ人は、街乗り中心でゆったり使ったり、家族と共有するファミリーカー的な使い方をしているケースが多く、結果として各パーツの消耗が少ない個体が多いように感じます。

スポーツカー = MTという風潮

「スポーツカーはMTであるべき」という意見は、今でもかなり多いです。

実際にATだと話すと、「オートマかー」といった反応をされることもあります。
その空気感は正直わかりますし、完全に否定できない部分もあります。
自分自身も、スポーツカーの内装には3ペダルとHパターンのシフトが一番似合うと思っています。
クラッチペダルがあり、自分の手でシフトノブを操作するあの見た目は、やはりかっこいいです。
正直なところ、PやDと書かれたシフトレバーを見ると、少し違和感を覚えてしまうのも事実です。
ただ、それと「実際に所有して使う」という話は別だとも思っています。
見た目や雰囲気としてはMTが理想でも、日常での使いやすさや合理性を考えると、必ずしもMT一択にはなりません。
スポーツカー=MTであるべき、という考え方は理解できますが、今はそれも一つの価値観でしかないのかな、と思っています。

燃費は少し悪い

ATはMTに比べると、燃費がわずかに悪くなる傾向があります。

(↑めちゃくちゃ伸びた時)

構造上どうしてもロスが発生するため、同じ条件で走れば、数値上はMTの方が有利です。
とはいえ、その差は日常使いではほとんど気にならないレベルです。
渋滞の有無や信号の多さ、アクセルの踏み方次第で簡単に逆転する程度の差なので、燃費だけを理由にATを避ける必要はないと思います。

車体はMTより重い

AT車はMT車より車両重量が重くなります。

ZC33Sの場合MTが970kgなのに対し、ATは990kgと約20kg重くなっています。
これはトランスミッション自体が重いことに加え、補機類が増えるためです。
数値だけを見るとデメリットに感じますが、実際の走行でネガティブに感じる場面はほとんどありません。
エンジン出力やギア比、制御の完成度が高いため、街乗りからワインディング、高速道路まで不満を感じることは少ないです。

靴の選択肢が広がる

ATはMTに比べて、靴の選択肢を広く取れるというメリットがあります。
MTの場合、クラッチペダルの操作は靴によって感覚が大きく変わり、履く靴次第では明確に運転しにくくなります。
ATでも感覚の違いはありますが、そこまでシビアではないため、基本的にどんな靴でも問題ありません。
ブーツや革靴、ハイカットスニーカーなど、普段履いている靴のまま運転できます。
MTに乗っていた頃は、ぺったんこのスニーカーでも足の甲の硬い部分がクラッチ操作時に干渉して痛くなり、せっかく買った靴なのに運転時には履けない、ということもありました。

また3ペダルになるため足元のスペースも狭く、大きめのブーツだと靴同士が干渉して引っかかりそうになったこともあります。
運転しにくい靴を好んで履く自分にとって、そこを気にしなくて済むのはATの大きなメリットです。

シートポジションの自由度

シートポジションの自由度が高いのもATの良い点です。

MTの場合、クラッチペダルをしっかり踏み切れる位置に合わせてポジションを決める必要があり、どうしてもシートを前にオフセットすることになります。
その結果、ステアリングと腕、あるいは膝との距離が近くなり、窮屈に感じることも少なくありません。
ATの場合、多少前後や上下にズレても操作に支障が出にくいため、体格や好みに合わせて細かく調整できます。
長時間運転した際の疲労軽減という意味でも、この自由度の高さは大きなメリットだと感じています。

結局どんな人にATスポーツカーが向いているか

速さや合理性を重視したい人
操作ミスやシフトの遅れを気にせず、常に安定して速く走りたい。
渋滞や日常使いでのストレスを減らして楽をしたい人
街乗りや通勤、ロングドライブまで一台でこなしたい。
家族や友人と車を共有したい人
運転を代われる安心感や、使い勝手を重視したい。